フィリピン不動産投資を実は当社も行いました。今のところの経緯や調査した観点から、これからされる方には基本的には止めておいた方が良いと思いますので私見をお伝えします。
フィリピン投資の可能性
フィリピンは英語力の高い若い人材が豊富にいる東南アジア屈指の潜在力のある国であるのは間違いありません。日本人が英語を学びにフィリピンへ短期留学する事もあり、ご存知かと思いますが英語力はアジアでナンバーワンといえるかもしれません。
人口動態も若い世代が多く、出生率もまだ高く子供が多い家庭が多いのも特徴です。人口ボーナスがあるといえます。
シティバンク等の名だたる欧米の金融機関やIT企業がコールセンターを置いているのもフィリピンです。(BPO Business Process Outsourcing)
ただ、そういうポジティブな潮流の一方フィリピンの不動産投資を積極的に勧められない点もあります。
フィリピンの物件価格と世帯年収
フィリピンの居住用不動産を調べた際に分かった点は地元の人で購入出来る人が極めて少ないという事です。日本の場合であれば東京都心であっても平均世帯年収の6倍も出せば家(マンションを含む)が買えます。(例:600万の年収の人が3,600万前後のマンション等は一般的です。)
ところがフィリピンはこの比率がかなり高いです。
価格と年収比率のレシオ (price to income ratio)https://www.numbeo.com/property-investment/rankings_by_country.jsp
日本の価格と年収の倍率は11.5倍(この倍率は非常に年収の低い高齢世帯なども含まれた数字だと思われます。)で世界の50番目の位置です。それだけ家の買いやすいのが日本と言えます。
ちなみにアメリカは93か国中で92位です。場所を問わなければ家を最も買いやすいのがアメリカと言えます。
ところがフィリピンの居住用不動産の場合には21.83倍でフィリピンのマカオのマカフィー近郊は25倍やそれ以上になります。世界で7番目の倍率になっています。(確か以前調べた際には上海が相当高かったです。)
基本的にはこのレシオが高い所は地元の人が家を持てないエリアで、不動産購入者のすそ野が狭いのが現状です。また、その様な市場の場合は不動産の価格自体が割高であると言えますので他国の投資家だよりと言えます。
日本の不動産購入と異なる点
他にも私があまりフィリピンの不動産購入をお勧めしないのが、家賃があまり取れない物件が多いという事もあります。
物価が高くないフィリピンでは当然家賃も低く、物件価格が高い割には家賃が取れないのが現状です。また、不動産管理の仕組みが近代化されておらず、家賃の受取等を現金だったり、チェックでの受け取りとなります。日本の不動産投資になれている人にはかなり抵抗のある点です。
ただ、プラスの面はインフレ率が高いので家賃もインフレスライドで上がっていくという点です。今の日本ではない家賃の設定方法です。
当社が行ったフィリピン不動産投資とは
当社が行ったフィリピン不動産投資はメディカルの商業物件の区分投資でした。上記の様に居住系の物件が地元の人にとって非常に高くこれ以上の上昇や売却が難しいと思った事と、メディカルの区分所有が珍しかったからです。ただ、それも先を読み過ぎてしまい、入居が2年以上決まりませんでした。それが漸く先日契約となりました。
当社が行ったフィリピン不動産投資は結果から言えば先を読み過ぎてあまり効率的ではない失敗だったと言えますが、一方、今回の投資を通じて様々な経験をすることが出来ました。
当社がお勧めするのは、フィリピンの居住用コンドミニアムは高すぎるし、賃貸が入らないのでなるべく触らない事。もし、購入する場合には民泊等のインバウンド(フィリピンにとっての)で活用が出来る物件に限って考えるべきかと思います。
まとめ
まとめとしては、今からのフィリピン不動産投資は極めて深く学んだあとでなければ行わない事をお勧めします。日本の常識は全く通用しません。現地の人が帰る健全な状態になるまで不動産価格が下がるか、現地の人の年収が上がってくることが今後の投資の際のポイントになるかと思います。
例外的にインバウンドで観光客向けの民泊等はありかもしれないと思います。それもかなり現地に信用のおける人が居て。