リースバック不動産

リースバックで不動産を仲介する業務を始めました。

 

 

マイホームだけは守らナイトというサイトで不動産のリースバック仲介業務を始めました。
マイホームだけは守らナイトというサイトで不動産のリースバック仲介業務を始めました。

 

 

 

大手不動産会社等の買主は住宅ローン等の返済が滞っている人から物件を任意売却で購入して賃貸借契約を結んで家賃収入を得ます。

 

売主は自宅を売却し、同じ家に住み続ける事が出来る様になります。どこかのタイミングで退去するなり、買い戻すなりする形になります。

 

今後弊社ではリースバックを扱っている優良な買取業者(借主と良好な関係を結べる業者)に売主を紹介していくと共に、信頼関係の結べる投資家の方には任意売却物件の買主になって頂く事も考えております。

 

今後情報は時々アップさせていただきます。

 

 

マイホームだけは守らナイト 詳細は以下のページにて

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コロナと日本の不動産

コロナショックの為ダウ株価が暴落し、時に暴騰する等値動きの荒い動きをしておりますが、コロナ後の日本の不動産市場についての影響をまとめてみました。
コロナショックが日本の不動産市場に及ぼす影響ですが、日本の不動産市場という様々な既存の問題を抱えるところにも大きな影響を与えそうです。

(3月18日時点で書いた物を加筆してアップします。)

北海道ニセコの不動産投資
北海道ニセコの不動産投資

1.インバウンドの減少

インバウンドの減少という事ではコロナショックが様々な影響を与えているのはメディアを通じてご存知かと思います。直接的な影響を受けているのは以下の様な業界かと思います。

 

ホテル業界、観光業界、航空業界、鉄道業界、百貨店等

 

不動産業界

 

不動産業界では直接的に混乱をきたしそうなのがオリムピック選手村のマンションの販売です。既に販売活動はスタートしてしまっていると思います。

オリムピック選手村
https://www.fnn.jp/posts/00044892HDK

 

 

2.飲食業やイベント業の景況感の悪化

 

オリムピック以外の様々なイベントが3月18日時点で延期、中止、規模を縮小しての開催となっております。プロ野球、Jリーグ、Bリーグ、等のプロスポーツをはじめ高校野球等のアマチュアスポーツの開催も中止された事から、人の移動が制限されホテル業界、観光業界や運輸業界にマイナスの影響を及ぼしました。

 

不動産業界にも間接的に影響がありますが、一方で分かりやすく直接的な影響を及ぼす部分もあります。

 

ソーシャルディスタンスの影響

 

アメリカ等も経済活動再開の際の要件として十分なソーシャルディスタンスを取る事を店舗側に要求しております。店舗に今まで入れた人数の半数にする等して対応する事を要件にしているケースが多くなります。店舗側はテイクアウト以外での収益機会が半分近くになる可能性があり注意が必要です。

 

(但し、感染状況が落ち着いてソーシャルディスタンスを取る必要がなくなれば別ですが、感染と規制の綱引き状態に今後なりそうです。その為、年間を通してコロナ前のイートインスペースの利用方法は難しいと言えます。)

 

3.オリンピック延期や中止の影響

 

オリムピック延期や中止の影響に関しては株式市場は若干折り込み済みの部分もあると思います。株価は既に2万4000円近辺から1万7000円まで暴落しその後持ち直しております。一方、不動産市場に関しては株式市場の中の不動産株や不動産REITの暴落で既にかなり織り込まれてきております。

 

前週比で約3兆4000億円の時価総額がREITだけ飛びました。(12兆3,873億円の時価総額に)

 

Japan ReitのHPに記載の先週(3月18日時点)のマーケット概況には以下の様に記されています。
http://www.japan-reit.com/

 

REITマーケット概況

 

「先週(3/9~3/13)は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、 WHOがパンデミックを表明。金融市場の混乱に加え、東京オリンピックの開催懸念の浮上、長期金利の急上昇等を背景に、不動産株式とともに 東証REIT指数も大幅下落。13日は下落幅-187.20ポイントと、リーマンショック時を上回る指数算出来最大の下落幅となり、終値は1,596.30 ポイントと、2015年9月のチャイナショック以来4年半ぶりの安値となった。 中略)感染拡大に収束が見えず、年度末を控えた機関投資家の動向によって 当面は荒い展開も想定されるが、連鎖安に歯止めが掛かれば、 分配金利回りを背景とした見直し買いも期待できよう。 」

 

ちなみに本日(3月18日)の値下がり率上位で世界の指数等を押さえて東証REIT指数が8.15%と下落しました。

 

 

4.景況感の悪化に伴う賃上げの頭打ちと失業率の上昇

 

一棟収益不動産をお持ちの方の中には安定した家賃収入がある為、また、コロナショックがあったとしても入居者が大挙して退出する訳ではないので大丈夫だろうというお考えの方もおります。確かにその部分はあるのですが、既に有効求人倍率の低下が始まっておりますし、今後新卒内定者の雇止め等も観光業や飲食業で見られるかもしれません。

 

また、歴史的に低い失業率も上昇します。居住用賃貸マンション等に投資されている方は飲食店ビルに投資している方に比べるとリスクは低いかも知れませんが、中期的に影響を受けるかもしれません。

 

人口減少のトレンド
人口減少のトレンド

5.不動産市場におけるコロナショックの影響

 

不動産業界におけるコロナショックの影響は間接的、直接的に大きな影響を受けます。私は元々、不動産市場はオリムピックの前年頃に緩やかにピークアウトではと書いておりました。それはオリムピックが成功裡に終わった事を想定しての話でした。ところがこのコロナショックによって緩やかなピークアウトではなく、痛みを伴うピークアウトになってしまいそうだと修正せざるを得ない状況になりつつあります。

 

不動産投資のブログ(読みづらいかもしれません…お許しを2019年3月26日あたりで言及してます。それ以前もですが。)
https://www.minato-am.com/post/

 

数年前から書いている様に日本の不動産市場は色々な意味でインバウンドによって支えられ、価格が引っ張られて成り立っていました。

 

例えば、東京の湾岸エリア等の都心のマンションを中国人投資家が買う、北海道や京都のホテル用地をインバウンド目当てで外資系国内系の資本が買う、銀座や渋谷、新宿等の繁華街が高額品等が売れるという事から家賃が上昇し高値を買う等々です。

 

今年の前半に関して言えば不動産を買っていた中国人は入って来ない、観光地には当て込んでいた外国人が来ず、銀座等で飛ぶように売れていた
高額品の販売は鳴りを潜める…

 

不動産収益の源泉となる事業の収支が全く成り立たなくなってしまっているというのが現在の状況です。この状況が後数か月は続くかと思いますがその場合には日本の不動産市場を引っ張っていた湾岸エリア、観光地、繁華街が軒並み打撃を受ける事になります。今は現物不動産市場への影響は一般にはあまり感じられないとは思いますが、今後は現物不動産市場の下落を考えざるを得ない状況かと思います。

 

 

新宿区の老朽化し空家となったアパート
新宿区の老朽化し空家となったアパート

6.まとめ。日本の不動産価格への下落圧力

 

日本の不動産市場は元々相続空家不動産の増加という長期的な問題増加の中にあり変革を求められていましたが、今回のコロナショックで一気に今まで考えなくても良かった問題も追加で噴き出しました。

 

1.インバウンド産業が引っ張っていた地方の不動産価格の下落圧力

2.小スペースに多くの多くの客を詰込む都市の店舗の利用価値の低下(ソーシャルディスタンスにより)

3.観光産業向け物件の居住賃貸市場への流入(民泊物件の賃貸住宅への転用による需給の緩み)

4.夜の商売向け繁華街物件の賃料下落圧力とその物件の収益性の低下(銀座や渋谷新宿池袋等のターミナル駅物件)こ

 

等々です。私たちはこれらの影響が今後不動産市場にどの程度下落圧力をもたらすか注視したいと思います。

空家の解体に1億円!相続空家問題は地域経済を蝕む問題に

2033年には3戸に1戸が空き家になるという試算(野村総合研究所)もある中で、空家問題が様々な問題を引き起こしております。治安の悪化、災害時の災害の増幅、地方自治体の財政逼迫等々ありますが、今回は2019年10月29日に日経新聞の一面でも取り上げられた地方自治体の逼迫の話を取り上げたいと思います。

 

空家問題は何故発生するか?

 

私が空家不動産の専門家としてこの5,6年前から取り組んでいて空家問題の一番の原因は、相続問題と考えております。離婚、倒産、相続とネガティブな事象が不動産が動く3大原因と言えますがそれぞれに違いがあります。

 

離婚は揉めますが、熟年離婚以外では年齢的にもまだ若い方のケースが多く、どちらかが住み続けるか、売却かではっきりしており長期間空家になるというケースがありません。

 

一方、倒産は地方等の場合にはそのまま放置されて空家となる場合もありますが、現状では政府などの支援もあり倒産事例は減っており倒産夜逃げからの空家というケースは減っております。

 

 

廃業した工場跡で空家に
廃業した工場跡で空家に

 

 

 

一方、一番問題なのが、相続からの空家問題になります。私たちが5,6年前から相続空家問題に税理士やその他の士業の方たちと取り組んで来た際に一番厄介だったのが相続に絡む空家問題です。

 

相続に絡む空家問題は意外と長期化します。私が昨年取り組んで来た複数の案件は何故かどれも20年近く空家でした。

 

大体のケースが40代や50代で親を亡くし実家が空家になったけどそれの処分を後回し後回しにしていつの間にか20年が経過してそろそろ自分自身の相続も準備をしなければという時期に、ようやく自分の親の相続が終わっていない事を認識し始めるのです。

 

自分が親の相続を片付けないで亡くなったら、自分の子供たちが大変な苦労をするという事で重い腰を上げるケースが非常に多かったです。

 

特に、40代や50代であれば生活力もあり空家を一つ持つくらいのコスト負担をする余裕があったというのも原因かと思います。ただ、それも年金受給年齢に近づいてくると空家を保持するコストが相対的に重くなってきます。

 

空家(空き一棟マンション)の解体で1億円の日経新聞記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51480960Y9A021C1EA1000/?n_cid=NMAIL006

 

 

新宿区の老朽化し空家となったアパート
新宿区の老朽化し空家となったアパート

 

 

空家特別措置法でどうなったか?

 

空家特別措置法で放置され、地域の人々に危険を及ぼす可能性のある空家等を特定空家として認定して、場合によっては地方自治体で撤去の勧告を出して、それに従わない場合には行政代執行という形で解体してしまう事が可能になりました。

 

ところが、特定空家の認定が少しずつ進んでいってはおりますが、日経新聞の記事にも出ておりますが、行政代執行まで至るケースは1%前後と非常に低いのが現状の様です。

 

というのは行政代執行して費用を空家の所有者に請求しようにもスムーズに費用の回収ができないケースがほとんどだからです。

 

 

10年以上空家となっていた苗場の保養所
10年以上空家となっていた苗場の保養所で入り口まで草木が生い茂っていた

 

 

 

自治体の財政を蝕む空家問題

 

今後空家がどんどん増え、無責任に放置される特定空家が増えると行政が管理しなければならない不動産(負動産)が増えると自治体の財政はただでさえ社会保障の負担で重いので厳しくなります。

 

本来、他の事に使われるべき資金が空家対策にも使わなければならないとなると財政の面でも、自治体職員という人的リソースの無駄使いという点でも問題にもなります。

 

 

東京都内の空家戸建て(所有者不明土地か…)
東京都内の空家戸建て(所有者不明土地か…)

 

 

空家を減らすためには

 

空家を減らすためには、一番大切なのは空家問題の最大原因である相続問題を速やかに解消して行く様な取り組みをしていくことであると思います。

 

ただ、多くの場合には両親とも亡くなってしまってから相続問題を議論するのでは遅いのが現実です。

 

私は世代間の相続問題を解消するための準備は両親共に亡くなった後ではなく、むしろ両親共にまだまだ元気なうちにそれぞれの家庭の事情にあった課題を整理し考え、話し合い、合意し、将来の準備をしていく事が重要であると思っております。

 

まとめ

 

将来、多くの空家が行政代執行で撤去されていく世の中にするのでははなく、所有者個人個人やその家族が責任を持って資産を管理して行く必要がある。

 

それには相続問題の理解を深める事が重要であり、また、各家庭の個性に応じどの様な対応や対策を取るべきかはそれぞれの家庭の問題でもありますが、一般の方が単独で理解するには無理があります。

 

相続問題を事前に整理し、考える事が重要であり、その手助けを不動産の専門家としてサポートさせて頂ければと思います。(税務や法務上の問題はそれぞれの専門家と連携して対応いたします。)

不動産投資の観点から2019年路線価をどう見るか

インバウンド需要の高まりから路線価が引き続き上昇しておりますが、このデータは注意をしながら受け取る必要があります。

 

路線価が上昇しているのは何度もコラムに書いている通りですが、インバウンド需要のあるエリアに限定されています。それも多くの場合に駅からの距離の近い商業要素の高い物件が多いことです。

 

インバウンドで盛り上がっている北海道でもニセコ等のエリアは開発が進んで上昇してきましたが、それ以外のインバウンド需要が低い他の北海道のエリアは置き去りにされています。

 

都心商業地の不動産開発
都心商業地の不動産開発

 

 

 

2019年路線価の全体的傾向

 

訪日客が増加している大分県などがマイナスからプラスに転じた一方、下落したの県も27県ありました。このうち22県で下落幅が縮小し、大都市圏や集客力のある観光地と、それ以外の二極化傾向は続いています。

 

東京、大阪、愛知等の都道府県別では19都道府県が上昇しました。沖縄県はなんと8.3%も上昇したそうです。

 

北海道ニセコの不動産投資
北海道ニセコの不動産投資

 

 

 

2019年路線価トップ

 

トップは34年連続で東京都中央区銀座5の文具店「鳩居堂」前。1平方メートル当たり4560万円の路線価は3年連続で過去最高という事です。実際に売買されたらその数倍だと思いますが、売りにでませんので・・・

 

 

宇都宮売りビル
宇都宮売りビル

 

 

東京都心部の路線価

 

2020年に東京五輪・パラリンピックを控えた首都・東京は18年比で4.9%上昇しました。地点別では近年、お洒落なイメージの定着しつつある北千住駅前の上昇が目立ちました。

 

足立区千住3の北千住駅西口駅前広場通りの上昇率は20.1%と高かった様です。複数の路線が乗り入れる利便性の高さから、マンション建設も相次いでおります。

 

ただ、これは東京の俗に言われる「いい所」である山手線内の価格が上昇し過ぎた為に仕方なく外側に流れた投資に引っ張られた点が大きいと私は個人的には思います。

 

五輪にちなんで江東区の門前仲町2丁目が14.3%も上昇したようですが、新築マンションの価格上昇は兎も角、中古マンションの売買は現場の感覚ではあまり活況とは言えないのが現状かと思います。

 

タワーマンションは湾岸エリアを中心にまだまだ供給が途絶えませんので、いつかタワマンバブルがはじけるかと思います。(東京オリンピック前後)

 

足立区の賃貸マンション
足立区の賃貸マンション

 

 

 

地方都市の路線価

 

高知県等の地方都市が久方ぶりに上昇したのも今年の特徴だという事ですが、高知の場合には南海トラフ地震への備えの要素等もあり若干特殊です。ただ、高知市の中心部にある商店街の路線価が27年ぶりに上昇したという事です。

 

また、県全体の上昇が0.6%となった大分県ですが大分市や別府市は10%を超える上昇だったようです。これはインバウンドで温泉の魅力やその地域の魅力が見直されたからかと思います。同じ様に、温泉で有名な静岡県熱海市等も4年連続で上昇が続いているという事です。

 

 

開発のために整地された岐阜県の土地
開発のために整地された岐阜県の土地

 

 

宅地全体の路線価

 

日経新聞記事によると全国約32万地点の標準宅地は18年比で1.3%のプラスとなり4年連続で上昇したという事です。上昇率はこの4年で最も高かった様です。

 

地方にも波及しつつある訪日客の増加や再開発などが地価上昇をけん引しているという事です。インバウンド需要に引っ張られる形ではありますが宅地全体も上昇という形になりました。

 

日経新聞記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46787370R00C19A7MM0000/?n_cid=BMSR3P001_201907011100

 

 

北海道小樽の運河
北海道小樽の運河

 

 

まとめ

2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック、2025年大阪万博と日本でイベントが目白押しですが、それに応じてインバウンドの訪問者が増加するに従って日本の魅力ある場所が限定で大幅に上がって行くのは継続すると思います。

 

ただ、一般の方の住む住宅地もドンドン上がると錯覚するのは危険かと思います。2025年には高齢者の人口でさえ減少に転じます。住む人が減り、住む家は必要なくなってきます。土地余り、家余りがすぐそこまで来ております。

世界不動産バブル崩壊(2)

中国不動産マネー急減速
中国不動産マネー急減速(日経新聞6月17日)

 

 

先日中国不動産バブル崩壊のコラムを書きましたが、その数週間後の6月17日付の日経新聞(国際4面)でしっかりとした記事が出ていましたのでご紹介します。

 

世界の不動産市場で中国マネーの勢いが弱まっているという事で、2019年1月~3月の第一四半期のアメリカ不動産投資額の推移を紹介しておりました。その記事によるとアメリカへの中国マネーによる不動産投資はなんと前年同期比で7割減に落ち込んだという事です。

 

世界の不動産価格を引き上げた中国マネーの行方が重要な訳ですが、実は前回のコラムでも書いた通りアメリカでも欧州やオーストラリア等でも減速が鮮明だという事です。

 

 

アメリカ不動産投資(カリフォルニア州物件)
アメリカ不動産投資(カリフォルニア州物件)

中国人投資家による世界の不動産投資

 

アメリカ調査会社のリアル・キャピタル・アナリティクス(RCA)が一定額以上の不動産取引データを調べたデータによると、2018年中に中国の投資家や企業が世界の主要地域の不動産を購入した金額は前年比で46%減少したそうです。これは中国国内を除くそうです。(日経参照)

 

中国人投資家によるアメリカの不動産投資

 

アメリカの不動産投資は2019年第一四半期は6億4000万ドルと前年比で72%減少し、ピークの2016年第3四半期の10%程度の水準まで落ち込んでいる様です。

 

私がアメリカ不動産投資を始めたのが2012年頃でしたが、不動産投資開始当初は中国系とはバッティングしませんでしたが、2014,5年位から結構彼らの動きを聞くようになりました。その頃も追加でアメリカの不動産を買おうとしておりましたが、既に価格が上昇し始めておりましたので私は自重しました。

 

日経によると2015年頃から中国系の投資家によるアメリカの不動産投資が目立ち始めたようです。

 

カリフォルニア州海岸沿いのお洒落な住宅
カリフォルニア州海岸沿いのお洒落な住宅

 

 

中国の投資制限

 

日経によると2017年後半に流れが一転したそうです。RCAのシニアバイスプレジデントのコメントを以下の様に紹介しております。「中国当局が人民元の歯止めをかけ、投資制限を強化した。」トランプ大統領が誕生し、米中貿易戦争も米国投資の心理的な障壁になっているのは想像に難くないです。

 

中国人投資家による売却

 

中小法人や個人投資家とやり取りしている私達の感覚とは若干ずれますが、日経によると大手中国資本の不動産売却が急増しているそうです。(私達は超大手に不動産投資をサポートしているというよりは個人だったりオーナー法人の案件をやっておりますからそれ程顕著な中国人投資家の変化を日本では感じられません。)

 

ただ実際は、当局が特に大手法人に対して圧力をかけて海外投資を控えさせている様です。その為、海航集団という企業グループ等はアメリカで総額1600億前後の物件を2018年に売却した様です。その他、英国のFTの情報によると安邦保険という政府管理下に入った法人もアメリカの高級ホテルの売却交渉を始めたそうです。

 

カリフォルニア州不動産投資
カリフォルニア州不動産投資

 

中国人投資家によるオーストラリア不動産投資

 

前回のコラムでも書きましたが、徐々に下火になってきております。実際日経によると2018年6月までの1年で許可された不動産投資は17%減となりました。オートラリアの件は前回のコラムを参照ください。

 

世界不動産バブル崩壊

中国人投資家によるカナダ不動産投資

 

カナダも中華系の多いバンクーバー(別称ホンクーバー(香港みたいに中華系が多いという事でカナダ人が使いますが))やトロント等の不動産ホテルや高級住宅への投資熱が急減しているそうです。

 

中国人投資家による日本の不動産投資

 

日本の不動産に関しては中華系の方の買いは以前程の勢いはなくなりましたし、売却される方も多くおります。ただし、欧米に比べてマイルドな日本の対中姿勢も影響しているのか投資自体は継続しているという印象です。(京都町屋、東京浅草、北海道ニセコ等がその代表的なところです。)対米関係に比べて対日関係が良好になりつつあるので特に売却を急ぐという印象はありません。

 

北海道ニセコの不動産投資
北海道ニセコの不動産投資

 

 

まとめ

前回のコラムでも書いておりますが、私は世界の不動産バブルの牽引車が中華系の投資家だったと思っておりますのでその動向を注視しております。それを見る限り世界で起こった不動産バブルの崩壊が近くあるかもしれないと感じております。

 

日本の不動産価格が上昇した一つの大きな原因が世界の他の地域に比べて優良な不動産が安い、利回りが高いというのが理由でした。その理由がなくなった時に日本の不動産を持ち続ける意味があるのか…そう思っております。つまり、世界の不動産が下落したら、日本の不動産も下落すると思っております。

世界不動産バブル崩壊

オーストラリアシドニー郊外のエッピングという街の話が興味深いです。ロイター通信によると、エッピングの住宅価格は2017年までの8年間で2倍に上昇していたそうです。それが、17年8月のピークから2割以上下がったそうです。

 

その理由はオーストラリア当局は外国人への融資を規制し、中国が資本流出を規制し、中国人投資家によるオーストラリア不動産投資が減ったことの様です。

 

私は実はこれがオーストラリアだけに当てはまるのではなく、世界中の都市で当てはまるのではと思っております。中国人(中華系の方)が買いあさったエリアの一番はオーストラリアですが、カナダやその他の地域にも影響が出てます。

 

 

アメリカカリフォルニア州の不動産
アメリカカリフォルニア州の不動産

 

オーストラリアの不動産

 

ロイターによると不動産価格がピークを付けた2017年、シドニー郊外の住宅地エッピングには開発業者が不動産を高値で買いあさったそうです。それが今では住宅価格の下落に歯止めがかからず、エッピングはバブル崩壊の震源地とみられるようになったという事です。

 

不動産の買い手は支払い不能になり、一部のプロジェクトは借金を背負った状態。債権者が資金を回収するため、アパートがまとめて売りに出され、この地域の不動産価格をさらに押し下げているとの事。

 

過去27年間一度もリセッション(景気後退)に陥らず拡大し続けてきたオーストラリア経済全体に影響し始めています。

カナダの不動産

 

カナダの大手不動産グレーター・バンクーバー調査では、同市の一戸建て住宅の平均価格が40万カナダドルから175万カナダドルとなり、2002年から上昇している。これは15年で3倍以上に価格が上昇したということである。中国の海外投資抑制がカナダでも影響しているという事です。

 

(ファーウェイの副社長がカナダで逮捕されたことなども今後影響すると思われます。)

 

アメリカロサンジェルスの築100年の戸建てで当社が以前保有
アメリカロサンジェルスの築100年の戸建てで当社が以前保有

 

 

アメリカの不動産

 

当社はアメリカの不動産に関しては2012年前後に2棟購入しましたので、中国人や中華系の方と競合する事が多くありました。また、アメリカでのファイナンスが厳しい時に、シンガポールや香港などではアメリカの不動産のフリッピングファンドのセールスが盛んでした。

 

(アメリカ不動産市場への資金流入の一つがその様なフリッピングファンドでした。)

 

ただ、アメリカのマーケットは大きいという事もあり、現在までの所それ程の影響がある様には見えません。

 

実際、例えば私が購入したオースティン等では2017年に比べて2018年の不動産価格は3%程上昇し、売買数も10%程増加しています。

 

但し、中華系の方の一定程度の投資が入っていた事と日本の大手企業が参入しておりバブル懸念があります。(日本の大手不動産会社は海外投資で高値掴みで有名ですので…)

 

 

アメリカカリフォルニア州不動産
アメリカカリフォルニア州不動産

 

日本の不動産

 

日本の不動産に関しては中華系の方の買いは以前程の勢いはなくなりました。売却される方も多くおります。但し、一定程度のインバウンド狙いの買いは継続的に入っております。(京都町屋、東京浅草、北海道ニセコ等がその代表的なところです。)

 

 

不動産バブル指数

 

UBSグループがリスクをランク付けしている2018年主要都市グローバル不動産バブル指数によると香港、ミュンヘン(ドイツ)、トロント(カナダ)、バンクーバー(カナダ)、アムステルダム(オランダ)、ロンドン(英国)までがバブルリスクが高いとされてます。

 

続いて、ストックホルム(英国)、パリ(フランス)、サンフランシスコ(アメリカ)、フランクフルト(ドイツ)、シドニー(豪)、ロサンジェルス(アメリカ)、チューリッヒ(スイス)、東京が買われ過ぎと評価されてます。

 

香港に関しては60㎡の一般的なマンションを買うのに、一般的な人が年収ベースでの支払いが22年となっているそうです。22年ですよ…日本だと5年、6年を基準に住宅ローンが出て買われてます。

 

このバブル指数の上位の都市は中華系の投資家が好んで買っていました。

 

 

Bloomberg
https://www.bloomberg.com/markets/fixed-income

 

アメリカ不動産投資でトラブルにあった物件
アメリカ不動産投資でトラブルにあった物件 (テキサス州オースティン)

 

 

米中貿易戦争の不動産市場への影響

 

私はこの米中貿易戦争の結果が中国をはじめとする世界各国の不動産市場に下落をもたらすのではと危惧しております。この貿易戦争はマスコミの報道によるとアメリカが優位で中国が厳しい戦いとなっているという事ですが、そのネガティブな影響は中国若しくは中華系の方の投資マインドにマイナスに働きそうです。

 

それが、中国国内の外貨持ち出しの抑制と相まって海外不動産投資の抑制へとつながるでしょうし、ファーウェイの話でもそうですが、アメリカの同盟国や準同盟国での中国製品の締め出しは、引いてはそういった人々の不動産投資の解消につながると考えるのが自然かと思います。

 

自分が彼らの立場だったらと考えて、投資している外国がウェルカムでなくなったら投資続ける理由は減りますよね。少なくとも追加投資をしたいとは思わないかと。

 

ロサンジェルスの夕暮れ
ロサンジェルスの夕暮れ

まとめ

 

米中貿易戦争が端緒となる世界的な不動産価格の下落の影響を日本も避けられないと思います。ただ、それがどの時点で起こるかは今のところ予測出来ませんが…

所有者不明土地措置法で空家不動産は減るのか、不動産投資への影響は

空家不動産に関するニュースで廃墟から探検をしていた若者が転落して亡くなった事をご存知でしょうか?人の土地や建物に勝手に入った人が悪いのですが、一方、空家や廃墟をそのままに放置していた方に全く落ち度がなかったとは言えないかと思います。

 

廃墟での事故の記事はこちら
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190519-00022369-tokaiv-soci

 

そんなニュースがあるのと時を同じくして、5月17日に所有者不明土地措置法が国会通過。所有者不明の土地の売買に関して一部法制化されたという事です。

 

 

東京都内の空家戸建て(所有者不明土地か…)
東京都内の空家戸建て(所有者不明土地か…)

 

所有者不明土地

 

廃墟等の放置された不動産が上記の様な悲劇をもたらすのみならず、管理不十分な所有者不明土地は様々な問題を引き起こします。5月18日付の日経新聞によると、「相続で700人の共有になり、役10人の所在地が不明等のケース」もあるようです。

 

所有者不明土地がもたらす問題が顕著に取り上げられたのが東日本大震災の時でした。震災前は海に近いエリアが職住一体で利便性が高く、多くの人々はそのエリアに住んでおりました。

 

ところが、東日本大震災によって発生した津波のお陰で、職住を分けようという考えに至りました。漁業やその加工業の仕事は海沿いで行い、住居はその当時は山林等の未利用地を開発して住居エリアを造ろうという考えでした。

 

その際に立ちはだかったのが、相続等で所有者が不明となった所有者不明土地の存在です。所有者不明土地はその多くは相続人等の所有者を辿る事が出来ますが、その為には多大な時間と労力と費用が掛かります。

 

また、中には所有者不明土地に相続人がいない等の状態に直面する場合もありました。いずれにしても、今回の震災に対応しての開発をするのに、所有者不明土地は壁となって立ちはだかりました。

 

 

開発のために整地された土地
開発のために整地された土地

 

 

所有者不明土地のもたらす問題

 

所有者不明土地のもたらす問題は、震災等の災害時のみならず日本全国で静かに進行しております。所有者不明土地は現在九州の面積を超えて、今後は北海道の面積を超える広さになって、それが拡大し続けていると言われております。(一般財団法人国土計画協会で行われている「所有者不明土地問題研究会」の調査による)

 

所有者不明土地は多くの場合に相続が理由となっております。相続によって遺産分割協議の話し合いがつかない事でみなし共有という状態で不動産が放置されるのが一番の原因と言って良いかと思います。

 

東北の場合等では当初全く価値を持たなかった山林などの土地が、大震災の為皮肉にも価値を持つ土地と変わった事で権利の調整も手こずりました。

 

東京都内等の私の周りでも、東京都心にも関わらず蔦やその他の植物が建物に絡みつき数十年は人が出入りしてなかったのではという不動産に出くわすこともあります。それらの所有者不明土地は空家問題を引き起こし、地域の治安を悪化させ、防災に弱い街を造る原因になっております。

 

 

新宿区の相続物件解体準備中
新宿区の相続物件解体準備中

 

所有者不明土地措置法とは

そこで所有者不明土地措置法(正式名称:所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法)が出来たわけですが、その条件を満たす土地は全国の1%程度に留まるという事で膨大な所有者不明土地問題の解消には程遠いという事です。

 

そこで今後は予防策として2本柱の対策を考える様です。

 

1.所有者不明土地をつくらない仕組み

2.相続登記を義務化、土地所有権の放棄を認める

 

所有者不明土地を活用する仕組み

 

・共有者が不明でも広告・供託等で利用可能に

・所有者が不明でも水道管などの設置可能に

 

東京のマンション
東京のマンション

 

まとめ

冒頭にも指摘しましたが、空家は事件や事故の原因ともなりますし、災害時には誰も管理をしていない土地建物なので災害を拡大する要因にもなります。今後空家問題や所有者不明土地の問題は日本全体の問題であります。

 

空家対策で先行するイギリスでは一定の手続きを経て自治体が利用権を収容できる強い権限の制度があるそうです。日本でも参考に出来るのではという事です。

 

不動産投資という点では空家が多い自治体での不動産投資はリスクが他よりも
高いとも言えると思います。

フラット35不正利用疑惑続報

2019年5月15日の日経新聞の金融経済面でフラット35の不正利用疑惑の記事が出ておりました。現在も調査中の様ですが、続報です。

 

前回のコラムはこちら ↓

アパートローンマンションローンの代わりにフラット35を不正利用した不動産投資

 

 

ローン借り入れ条件等
ローン借り入れ条件等

 

住宅金融支援機構調査

 

住宅金融支援機構は全ての融資先について自己の居住用名目で借り入れた物件に関して、実は当初から投資用ではなかったかの不正調査を始める様です。

 

第三者への賃貸借を前提とする不動産投資の為の融資を住宅ローンで認める事はありません。ただ、前回の私のコラムでも書いた通り、当初居住用で購入した人が転勤などの理由でやむを得ず貸し出している物件は除かれる様です。

 

アルヒの社長コメント

 

不正の疑いのある案件は過去に手掛けてきた十数万件のうちで0.1%以下に留まる。

 

まとめ

他の不動産投資向けの融資がずさんだった為、過剰に反応されてしまったかもしれません。ただ、一部の業者が、スルガ銀行やその他の銀行の融資が難しくなって来た為に審査の比較的緩い住宅ローンに流れてきたという点は変わりありません。

 

 

日経新聞の有料会員なら記事も読めるかと…

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO44781180U9A510C1EE9000/

アパートローンマンションローンの代わりにフラット35を不正利用した不動産投資

アパートローンマンションローンの代わりにフラット35を利用した不動産投資が新聞紙上で問題になっております。問題の図式はスルガ問題とあまり変わりません。

 

ただ、スルガの問題はアパートローンマンションローンという商品内での不正だったのに比べて質が変わります。

 

 

ローン借り入れ条件等
ローン借り入れ条件等

 

 

フラット35とは

 

そもそもフラット35とは国民が住宅を購入しやすくする目的で運営されている商品です。独立行政法人の住宅金融支援機構が住宅金融市場における安定的な資金供給を支援し、住生活向上への貢献をめざす名目で民間の金融機関のローン債権を買い取って資金提供しております。

 

金利の高いバブル期以前は民間の住宅ローン等で固定金利期間が終了し急激に金利が上昇するなどの問題が発生したのに対処する為に返済に困る人が続出する事で社会問題化しました。フラット35等の固定金利融資は低リスクであるという事から官民あげて推進されていました。

 

ところが、その制度を悪用してそもそも居住しない物件を購入し、投資用不動産の借入に使うという手口の様です。不正利用が疑われるアルヒのHPには借り入れ条件が出てますが、かなり基準が緩い感じです。(ただし、アルヒによると今のところ不正が見つかっていないという事です。)

 

ARUHIのフラット35
https://www.aruhi-corp.co.jp/product/super_flat/requirement.html

 

厳格化するアパートローン
厳格化するアパートローン

 

 

フラット35を利用した不正に関して

 

フラット35を利用した不正は、本来自分が住むだけに利用できる住宅ローンをマンション等を購入して他人に賃貸させる不動産投資の為に利用したことが疑われるのがポイントです。国交相が調査を依頼したという事です。

 

 

日経新聞記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44498140X00C19A5EE9000/

 

住宅ローンの期限の利益とは

 

住宅ローンやアパートローンマンションローンの期限の利益とは善意の借手を保護するための考えで、借手は普通に返済を継続していれば金融機関から期限内で融資の返済を求められないという物です。

 

ただ、それは借手が金銭消費貸借契約の基準に従っている必要があります。もし、借手がフラット35等の借入の約款に違反していたらどうなるかと言えば、期限の利益喪失事由に該当し期限前返済を求められる事になります。

 

 

日没
日没

 

 

フラット35を利用した不正の場合

 

フラット35を利用した今回の不正の場合には、そもそもの最初から自分が住む目的ではなく購入した物件で賃貸収入を得る不動産投資の観点で物件を購入しておりますので期限の利益喪失事由に該当する可能性が高いと思います。

 

業者の口車にのって不正な借入をしてしまった方は残念ながら厳しい現実にこれから直面する事になるかと思います

 

期限の利益喪失にならない場合

 

私どもの所に時々相談が来ますのが、住宅ローンで物件を購入して住宅として住んでいたが、会社の辞令で遠方に引っ越す為一旦その家を空家にしなければならないケースなどがあります。

 

その場合に、お客様から聞かれるのが住宅ローンなのでもし賃貸に出した場合には一括返済をしなければならないですかという内容です。

 

自宅として住んでいたいがやむを得ない理由によって賃貸に出さざるを得ない場合には住宅ローンの返済を求められないケースも多くあります。

 

また、実際金融機関の担当に連絡しても「聞かなかったことにしてください」等と対応されるのが殆どです。

 

この様に当初も、今後も住宅として利用したいがそう出来なくなる場合には個別に金融機関に確認頂ければと思います。

 

ただ、ここで住宅ローン減税は利用出来なくなるという事は注意してください。年間を通じて住んでいない場合には住宅ローン減税の対象となりませんので。

 

ローン返済時の書類
ローン返済時の書類

 

 

不動産投資や収益不動産の市場への影響

 

不動産投資や収益不動産の市場への影響ですが、今回のニュースもプラスではありません。ただでさえ、スルガ銀行やその他金融機関を利用した不正融資で不動産投資を抑制する空気が強い中、更なる問題は金融機関の融資スタンスを悪化させる事は間違いありません。

 

今回のフラット35を利用した不正融資は区分所有マンションでの利用が多かった様に思われますので、その分野の融資付けに一層苦労する事は間違いないと思います。

空家総数過去最高

GW中の新聞記事で不動産関連では総務省発表の空家データに関してが最も気になるものでした。

 

共同通信社の4月26日の配信によると、全国の空き家数は2018年10月1日時点で846万戸と過去最高になったことが26日、総務省の住宅・土地統計調査(速報値)で分かった。5年前の前回調査に比べ26万戸増加した。

 

 

その後同日に日経新聞が、5月5日に朝日新聞が記事を書いておりますので、その辺を踏まえて解説いたします。

 

東京都内の空家戸建て
東京都内の空家戸建て

 

空家処理の現状

 

こちらは日経新聞の記事が詳しく出ておりますが、15年に空き家対策特別措置法が施行されて以降、市区町村が修繕や撤去を所有者に特定空家として勧告した物件は昨年10月初めまでで708件。

 

それでもらちが明かないと、解体などの代執行に踏み切った物件も118件あるそうです。

 

ただ、これは現状の空家の総数や増加数からすると非常に低い割合になります。要は、行政の対応が空家数の増加に全く追いついていっていないのが現状です。(全体の増加が26万ですから…)

 

新宿区の相続物件解体
新宿区の相続物件解体

 

都道府県別の空家率の推移

 

 

こちらも日経に詳しく出ておりますが、空家率のランキングは1位が山梨県の21.3%で以下20.3%の和歌山県、19.5%の長野県、19.4%の徳島県、18.9%の高知県と続きます。

 

一方、空家率が今のところ低いのは、埼玉県の10.2%、次いで沖縄県の10.2%、東京都の10.6%、神奈川県の10.7%で愛知の11.2%と続きます。

 

全体的に人口流入超過の自治体が空家率の低い所として見られます。

 

日経新聞の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44287370W9A420C1EA2000/

 

ただ、これも日本全体として考えたらどうなの?っていう話になります。空家率が低い自治体があったとしても、それは他からの流入によって賄われており日本全体の人口減少と住宅過剰は変わりません。問題の付け替えでしかないのです。

 

人口減少と空家増加から来る工場の閉鎖
人口減少と空家増加から来る工場の閉鎖

 

 

空家特例の延長

 

税制上のメリットが空家を売却した場合に得られる空家特例があります。空家を減らす為に政府が作った制度です。

 

 

当社のお客様でも実際に利用したり、利用を検討された方がおりますが、意外とハードルが高いのがこの特例です。国や自治体も野放図に税額が減少する制度をするわけにもいかないので、空家特例の判定はかなり厳しいものとなります。

 

 

その厳しい要件は以下の点になります。

1. 家を受け取る日の直前まで、家を渡す人(親など)が住んでること。

 

2. 家を渡す人(親など)以外の人が住んでない家であること。

 

3. 家は1981(昭和56)年5月31日以前に建てられたこと。

 

4. 家を受け取ってから売るまでのあいだ、仕事に使ったり、人に貸したり、誰かが住んだりしてないこと。

 

5.自身で空家を解体して土地として売却しなければならないこと。

 

国税庁HP空家特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

 

上記の要件が意外と厳しいので、空家特例をお勧めしなかったケースも御座います。実際のケースとしては空家特例に該当する空家かどうかの判定を市区町村等の自治体の認定をもらってそれから税務署に書類を持ち込みます。

 

 

その際に、税務署と市区町村の間の力関係なのか、市区町村は非常に厳しい判定を行います。

 

 

また、解体を誰が行うかによって空家特例が使えるか否かが決まります。不動産売買とも関係するので解体費を前払いする等意外とハードルが高い点もあります。

 

 

ただ、今後の税制改正で以下の点が変更になるようです。

 

 

【税制改正での変更点】

 

1. 期間が4年延長されて、2023年12月31日までになる。

 

2. 介護認定を受けてから老人ホームに入っても、空き家特例が使えるようになる。

 

3. 使用の制限については「老人ホームに入ってから家をもらうまで」になる。

 

若干、空家特例は利用しやすくなりますが、実際の運用がどうなるのかはこれからかと思います。

 

人口2/3減少時代の到来と「新」成長戦略
人口2/3減少時代の到来と「新」成長戦略

 

 

 

空家不動産は今後も更に増える

 

国や地方自治体の努力は兎も角、野村総研等の統計上の予想では空家は今後も増え続ける事になります。2030年を超える頃には3戸に1戸が空家になる時代が全国的には到来します。

 

先日、私は野村證券主催の人口動態に関わるセミナーに参加しましたが、2100年までの長期トレンドでは江戸時代からの日本の人口の長期トレンドに落ち着くという試算が述べられました。それによると、2100年前後では日本の人口は5000万人前後となり、現在の3分の1近い人数となってしまうという事です。

 

100年住宅を建てるのも良いのですが、100年後にはその住宅を使う人がいない事を考えるべきかと思いました。

 

(総務省の統計によると「住宅総数」も179万戸多い6242万戸と過去最多を更新した。住宅総数、空き家数、空き家率とも伸び率は落ちてきたものの、右肩上がりは続くという事です。)

人口減少のトレンド
人口減少のトレンド