金利の高い先からの不動産融資
2008年10月24日 0:00
金利の高い先からの不動産融資はリスクがあり弊社ではあまり積極的に勧めておりませんでした。ただ、お客様の中には都銀、地銀、信金と融資を受けて物件を購入してきたが更に買い増ししたい方もいらっしゃると思いますのでご紹介します。あるノンバンクですが、金利4.5%前後で投資用不動産でも住居でも融資を出してくれます。ただ、自宅もしくは他の不動産の共同担保が条件になっています。都銀、地銀程審査程厳しくなく金利は高いので他で借りれる人にはお勧めしませんがいくつかメリットを列記します。
(1)属性があまり良くなくても共同担保物件さえあればフルローンまで行ける
(2)物件の減価償却期間をオーバーした融資期間でも融資してくれる
(3)審査期間が比較的短い
(4)商業ビル物件等の融資が出ずらい物件でも融資をする
(5)順法性の乏しい物件でも対応してくれる。(容積率等)
(6)大手金融機関の子会社である。
逆にデメリットとしては金利が高い以外に
(1)金利は取引期間が長くなっても下がる事がない
(2)期限前解約で約2%のコストを要求される
(3)短期プライムレート連動なので金利が上昇時には返済額が上昇する
(4)取引時にも高い手数料が掛る
(5)融資の上限金額が3億円である
現在の不動産投資の環境を考えた場合、色々な考え方があります。この高金利の金融機関を利用する方は以下の様な方が良いかと思います。
(1)既に過去に買った物件の融資の返済がかなり済んでおり、場合によって完済が近い方
(2)今後不動産投資をしばらく打ち止めにするが現在の市場環境がかなり良いので購入を検討される方
(3)他の収入が潤沢にあり(不動産収入を含めて)借入期間を短くしても全体で余裕を持って返済が出来る方
(この投資では期間が短いのでキャッシュフローがマイナスでも)
考え方としてはこうです。2年ほど前であれば例えば23区のRCの中古物件は7%台が主流でした、その時金利が2.5%で物件を借りれたとします。現在は同じ物件でも利回りが10%前後に上昇している場合もあります。収入で考えると利回りが約3%上がったことになります。一方借入金利は高い金利の先なので4.5%と約2%上がります。
*2年前のスプレッド7%-2.5%=4.5%に対してこの借入を利用して現在物件を買うと10%-4.5%=5.5%のスプレッドとスプレッドが1%拡大しています。従いまして2年前であれば良いものが高い利回りでは出ませんでしたので、この様な借入金利の高い融資を利用した不動産投資はお勧めしませんでしたが、現在の様に投資対象の利回りが上昇している間は検討の余地ありかと思います。
(“低い運用利回りの物件を低い調達金利で購入<高い運用利回りの物件を高い調達金利で購入” と仮に高い金利で調達しても2年前に買ったよりも現在は好条件を維持できる事を意味します。)